鹿児島・大崎事件、3度目の再審開始決定

 

鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42歳)の遺体が見つかった「大崎事件」で、福岡高裁宮崎支部(根本渉裁判長)は12日、殺人罪などに問われて懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(90)の再審開始を認めた鹿児島地裁決定(2017年6月)を支持し、検察側の即時抗告を棄却した。原口さんの再審開始を認める判断は02年3月の地裁決定を含めて今回で3度目。弁護団によると、同一事件で3度の再審開始判断が出るのは初めて。

同地裁は原口さんの元夫(93年に66歳で死去)の再審開始も同時に認めていたが、同支部はこの決定も支持して検察側の即時抗告を棄却した。福岡高検が期限の19日までに特別抗告すれば審理は最高裁に移るが、断念すれば同地裁で再審が始まる。弁護団は原口さんが高齢であることも踏まえ、特別抗告しないよう検察側に申し入れる。

事件では原口さんの関与を示す物証はなく、原口さんは捜査段階から一貫して無実を訴えた。しかし、知的障害のあった元夫ら親族3人(いずれも故人)の自白や、原口さんが親族に殺害を持ちかける場面を目撃したという義妹の供述を根拠に有罪と認定された。

弁護側は、第2次再審請求審で元夫らの自白を分析した心理鑑定書を提出して「体験に基づかない特徴があり、信用性がない」と主張。14年7月の福岡高裁宮崎支部決定は心理鑑定を踏まえて「元夫らの自白の信用性は高くない」とする一方、義妹の供述が信用性を支えているとして再審請求を棄却した。弁護側はこれを受け、第3次再審請求審で義妹の供述についても心理鑑定書を提出していた。

17年6月の地裁決定は、再審請求審では初めて心理鑑定の証拠価値を認め、義妹の供述について「捜査機関の思惑に沿って虚偽の供述をした疑いがある」と指摘。元夫らの自白も「捜査機関の誘導で供述が変遷した疑いがある」と信用性を否定し再審開始を認めた。

即時抗告審では心理鑑定の信用性が争点となり、検察側は「心理鑑定は再現可能性がないため科学的でなく、証拠価値がない」と主張。弁護側は「無罪の証拠は合理的疑いを生じさせれば足りる」と反論していた。【平川昌範、田中韻】

【ことば】大崎事件

1979年10月、鹿児島県大崎町で男性(当時42歳)の遺体が自宅の牛小屋で見つかり、義姉の原口さんと親族3人(いずれも故人)が殺人と死体遺棄の容疑で逮捕・起訴された。原口さん以外は起訴内容を認め、懲役1〜8年の判決が確定。原口さんは無実を訴えたが、81年に懲役10年が確定して服役した。95年に第1次再審請求し、2002年に鹿児島地裁が再審開始を決定したが、福岡高裁宮崎支部が取り消した。第2次請求も退けられたが、第3次請求では鹿児島地裁が17年6月、再審開始決定を出した。

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