東京都の迷惑防止条例改正案に「濫用」懸念する声

 

 開会中の東京都議会で、ある条例案が採決されようとしている。その正式名称は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不要行為等の防止に関する条例」。これだけ言われてもピンと来ない人も多いだろう。いわゆる「迷惑防止条例」のことで、その改正案が22日の警察・消防委員会で採決され、29日には本会議に諮られる見込みだ。ただ委員会での質疑は1日のみ。弁護士団体などからは「表現の自由」や「報道の自由」を侵害するのではないかとの懸念が出ている。

盗撮場所やつきまとい行為を規制強化

そもそも都の迷惑防止条例改正案は、盗撮やストーカーといった迷惑行為の規制を強化するためのものだ。

条例案を提出した警視庁によると、今回の改正案は「盗撮を規制する場所の拡大」と「つきまとい行為の規制強化」が柱になるという。盗撮については、スマートフォンの普及で規制対象外の場所でも盗撮が多発していることから、規制する場所を、新たに学校・会社の事務室や更衣室、住居、ホテルの居室など、個人のプライベート空間にも拡大する。

つきまとい行為は、人身に危害が及ぶような重大事件に発展する恐れがあるとして、「名誉を害する事項を告げる」「住居等の付近をみだりにうろつく」といった行為を新たに規制対象にした。SNS利用者が急増している現状を受け、「拒まれたにもかかわらず、連続して電子メール(SNSを含む)を送信」する行為も新たに加える。

「正当な理由」「ねたみ・恨み」警察が判断

これに対し、弁護士団体の自由法曹団東京支部は、こうした規制は要件があいまいで濫用される恐れがあると主張する。

例えば、「名誉を害する事項を告げる」が規制対象になれば、国会前などで政治家を批判するデモが当てはまる可能性があるほか、労働組合が会社批判のチラシをまく、住民がマンション建設反対運動をする、公害・薬害事件で企業を批判する――などの行為も該当する可能性があると訴える。

「住居等の付近をみだりにうろつく」についても、報道機関が取材対象者の家の付近を行き来する行為が対象になりかねないといい、そうなれば憲法で保障された「表現の自由」や「報道の自由」を侵害するとしている。

つきまといに対しては「正当な理由なく、専ら、特定の者に対するねたみ、恨みその他の悪意の感情を充足する目的で」行われた行為を禁止するとしている。しかし、国のストーカー規制法(2000年成立、2016年改正)のように「恋愛感情」などに起因する行為に限定されておらず、「ねたみや恨み」といったあいまいな内心の状態が成立要件になり、処罰範囲が広がり過ぎる恐れがあるという。

さらに「正当な理由」の判断は、現場の警察官に委ねられると指摘し、同支部の舩尾遼弁護士(城北法律事務所)は「恣意的に使おうと思えばいくらでもできる」と条例の濫用を懸念する。

小池知事「濫用は基本的にはない」

小池百合子知事は、16日の定例会見で、条例が濫用される可能性についての記者の質問に、「基本的にはないというふうにお答えしたい。また、ないようにしなければならない」と強調した。改正案を懸念する声については、「さまざまなご意見に耳を傾けながら、都議会での審議を見守っていきたい」と述べた。

ただ委員会での審議は、2月19日に警視庁からの説明、3月19日に質疑、そして3月22日に各会派が意見表明した後に採決が行われ、質疑は1日しかない。迷惑条例改正案は、29日の本会議で可決されれば、7月1日から施行される。

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