屋久島孤立 ガイドの判断に疑問

 鹿児島県屋久島町で複数の土砂崩れが起き、山中に取り残された登山者らについて、町は19日、一時孤立した人が少なくとも計314人に上ったことを明らかにした。

 天候不良が予想されていた中で登山を決めたガイドもおり、ルール整備などの課題が残りそうだ。

 気象庁によると、18日の大雨は暖かく湿った風が屋久島を含む九州南部に流れ込んだことが原因だった。

 大雨を事前に予測した鹿児島地方気象台は17日午前の段階で、気象庁のサイトなどで確認できる「大雨に関する気象情報」を発表。「屋久島などで18~19日に大雨の恐れがあり、土砂災害に警戒を」と呼びかけた。気象台の担当者は「週末で登山者も多いと考えられたので、早めの注意を心がけた」と話す。

 世界遺産に登録されている屋久島の登山には危険な場所もあり、約200人いるガイドと入山する人が多い。大雨の予報に、ガイドの判断は分かれた。

 屋久島観光協会ガイド部会長の中馬慎一郎さん(46)によると、屋久島町などが定めたガイド向けルールでは、気象警報の発表時にはツアーを実施しないことになっている。

 ただ、町に大雨警報が発表されたのは18日午後3時半ごろ。それ以前のツアー出発はガイド個人の判断に任されていたという。

 観光名所の縄文杉までの往復には10時間程度かかるといい、早朝に出発するツアーが大半とされる。朝の時点で雨が降り、登山道脇の沢の流れが激しいとして途中でツアー中止を決め、引き返したガイドもいた。

 一方で、計28人のガイドが同行したツアーの登山者が18日中に下山できなかった。ガイドとともにバスの車中で一夜を過ごした30代男性は「(登山に出発した)18日早朝には雨の影響についてガイドから何も言われなかった」と話した。

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