南阿蘇村の「学生村」アパート解体も地域の姿「一変するかも」

 

 熊本地震で住宅被害を受けた被災者には、「住まい再建の見通しが立たない」と訴える声が少なくない。資金や支援情報の不足、さらに家族の健康不安などの悩みも加わり、将来が描けないでいる。

 東海大阿蘇キャンパス(農学部)に隣接する南阿蘇村黒川地区。熊本地震で大きな被害を受け、学生約750人が暮らした「学生村」の再建は困難になっている。下宿やアパートを経営してきた住民は、将来を描けない不安を抱く。

 大学側は昨年1月に「阿蘇キャンパスの全面的再建は困難」と表明。その後の住民説明会で「地震前と同じように学生がキャンパス周辺に住むことは想定していない」との考えを示した。

 「学生村がなくなる黒川に、どれだけの住民が戻るのかしら。地域の姿が一変してしまうんじゃないかねぇ…」。夫婦で学生アパートを経営していた橋本としえさん(62)は肩を落とす。  地震でアパートは半壊。「学生が戻って来るならば」と一時は修復も考えたが、大学側の方針を聞いて解体を決めた。

 アパートとともに経営していた食堂は地震の約半年後に再開。今は復旧工事の作業員らで一定の集客は見込めるが、「もともと学生さん用に開いた店。この先お客さんがどうなるかは分からない」。

 地震から2年。黒川地区に戻ってきた住民は、まだ10世帯に満たないという。「黒川に住み続ける決心をした人たちのためにも、新しい地域の在り方を考えなきゃね」と気持ちを切り替える。

 一方、橋本綾さん(41)は経営するアパートの損壊を免れた。大学側の方針に「覚悟はしていたが、期待もどこかにあった」と複雑な表情を浮かべる。多額のローンを抱え、アパートをこのまま維持するのか、手放すのか、決めかねている。

 「黒川は学生村という特異な経済で成り立っていた。自分たちの生活も、黒川の将来も、まだ見えない」。焦りやいら立ちが交錯する。(堀江利雅、並松昭光)

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