「周期表」の発明から今年で150年、科学を変えた大発明

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 万物のもとになる元素を規則的に配列し、その性質を解き明かした「周期表」の発明から今年で150年。あらゆる科学研究の基本として、新たな材料や物質の探求など、さまざまな形で人類に貢献してきた。

 宇宙は無数の星から成り立っており、その一つである地球には多様な自然や人工物が存在する。これらは分子で構成され、さらに細かく分けると原子という小さな粒になる。その原子の種類を示すのが元素だ。

 周期表はロシアの化学者メンデレーエフが1869年に原型を発明した。元素を軽い順に並べると周期的に似た性質が現れることに着目し整理した一覧表だ。京都大の玉尾皓平(こうへい)名誉教授は「規則性の発見や、元素の重さや性質の差が大きい場合は並んだ列に空白ができることを見いだした点がすごかった」と話す。現代の周期表で横列に当たる「周期」は性質が少しずつ変化し、縦列の「族」は類似した元素が並ぶ。

3つの「空白」、新元素を予言

 63種の元素を記した初期の周期表は3つの空白があり、玉尾氏は「未知の元素の存在を予言していた」と語る。これが研究を導く羅針盤となり、75~86年にガリウム、スカンジウム、ゲルマニウムが相次いで発見された。

 予言の正しさが証明されたことで周期表の評価は高まり、世界に認められた。他の未知の元素についても性質や重さの予測に役立ち、1939年にフランシウムが見つかったことで、89種の天然元素が全て周期表に収まった。

 元素の化学的な性質は、原子核を取り巻く電子に由来する。原子の構造は150年前は全く不明だったが、周期表の登場で性質の推測が可能になり、複数の元素を組み合わせる新材料の開発などが大きく進んだ。国立科学博物館の若林文高理工学研究部長は「周期表は科学の在り方を変えた」と称賛する。

 ただ、メンデレーエフはノーベル賞を取れなかった。京都薬科大の桜井弘名誉教授によると、06年に候補となったが「発明から時間がたちすぎている」として落選、翌年に死去した。

新たな地平へ国際競争

 近年は原子核同士を超高速で衝突させる加速器を使って、重い元素を人工的に合成する研究が進展。初の人工元素テクネチウムが約80年前に合成されて以降、29種が発見された。

 これらは一般的に天然には存在しないが、宇宙の進化過程で一瞬だけ存在した可能性があり、性質を詳しく調べれば宇宙や物質の成り立ちの解明につながるとみられる。

 新元素の発見競争は欧米勢が中心だった。日本では1908年、小川正孝・元東北帝国大総長が原子番号43の「新元素」を発見したと発表。ニッポニウムと命名したが、信頼性が低いとして認められず、涙をのんだ。

 だが、理化学研究所の森田浩介超重元素研究開発部長らが2004~12年、113番の新元素合成に成功しアジア初の命名権を獲得。16年にニホニウム(元素記号Nh)と命名し、日本の底力を見せつけた。

 元素は現在、118番まで発見され、周期表はちょうど第7周期まで埋まった。だが、理論上は173番まで存在するとされており、日本や米露は次の新元素発見に向けた競争を開始。第8周期という新たな地平を目指してしのぎを削る。

「元素戦略」で資源問題克服へ

 周期表にずらりと並ぶ多様な元素は、日本にゆかりの深いものが多い。日本の3氏の発明で照明を一変させ、ノーベル賞に輝いた青色発光ダイオード(LED)の重要な材料であるガリウムは代表的な存在だ。

 キセノンは、世界で初めて小惑星に人工クレーターを作った探査機「はやぶさ2」の推進燃料。ニオブは2027年開業予定のリニア中央新幹線の超電導磁石に使われる。うがい薬でおなじみのヨウ素は日本が世界第2位の生産国。リチウムが材料の充電池は携帯型電子機器に必須で、日本人が開発に大きく貢献した。

 ハート形の日本式双晶が有名な水晶はケイ素の化合物。古代の勾玉(まがたま)に使われたひすいの緑色は、クロムや鉄に由来する。金はかつて黄金の国ジパングと呼ばれたほど大量に産出し、銅も青銅器に使われてきた。

 ただ、日本で産出する元素は多様性に富む一方、量が少なく資源的な価値は乏しい。特に、ハイテク製品に必須の希土類(レアアース)はほとんど産出しない。そこで国は、希少で高価な元素を豊富で安価な元素に置き換えたり、新たな機能を探したりする「元素戦略」を掲げ、研究を推進している。

 自動車の排ガス触媒に必要な白金や、高性能モーターに欠かせない世界最強のネオジム磁石に使うレアアースを、他の元素に置き換える研究が進行中。開発の鍵である元素の特性把握には周期表が活用され、自在に新材料を生み出す現代の錬金術に役立っている。

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